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SUZUKI One Make Race Series「2003/10/19/参戦記」

スズキワンメイクレースシリーズ「2003年10月19日参戦記」
AUTOBACS RACING TEAM AGURI RACE REPORT
●ドライバー名 二滝 覚之 ●参加車両名 ARTA-SA京都伏見@Kei
●エントランス名 ARTA with CarlifeService
●参戦シリーズ名 Keiワンメイクレース
東日本シリーズ 第4戦
●参加台数 35台
●開催場所 茨城県つくばサーキット ●開催日 予選:10月19日
決勝:10月19日
●天候・路面状況 予選:晴れ
決勝:晴れ
●結果 予選:35位
決勝:8位
●累計獲得ポイント 33 POINT ●現シリーズ順位 最終シリーズランキング3位




Keiワンメイクレース2003 東日本第4戦 参加報告書


スズキワンメイクレースシリーズ「2003年10月19日参戦記」
スズキワンメイクレースシリーズ「2003年10月19日参戦記」
スズキワンメイクレースシリーズ「2003年10月19日参戦記」
スズキワンメイクレースシリーズ「2003年10月19日参戦記」
スズキワンメイクレースシリーズ「2003年10月19日参戦記」
 スーパーオートバックス京都伏見で取組んでいるSUZUKI Keiのワンメイクレース「Kei Sport Cup東日本シリーズ」の第4戦が10月19日(日)に、関東地方茨城県の筑波サーキットで開催されました。今回は、東日本シリーズチャンピオン獲得をかけた一戦でした。また今シーズン最後のシリーズ戦で前回に引き続き優勝に的を絞った遠征でした。


 今回は遠征なので本来は少人数で参戦するのですがシーズン最終戦という事と、優勝すればシリーズチャンピオンという思いもあり通常ならば3名のところを研修の為参加した福山さやかを入れ5名で参戦いたしました。土曜日のサーキット使用が占有されており金曜日一日の事前練習とセッティングとなりました。お店で作戦を練り、それに合わせて事前セッティングをし、天候を確認。天候は晴とのこと。このところ天候に振り回されている事が多かったのでホッとして準備を進めました。また、遠征で荷物を少なくして色々なものが足りなくて苦心している事から今回はやや過剰に装備を整えました。さて出発です。茨城県までは順調に進めても約8時間かかります。ところが東名高速道路が改修工事のため思いのほか渋滞しており結局10時間以上かけてのサーキット到着となりました。急いで準備をして走行時間開始までに走行可能な状態にセッティングします。準備完了後程無くして走行時間になりました。いつものようにタイヤの空気圧からアライメント、減衰力調整と限られた調整範囲の中で、よりベストな選択を見つける為に、ドライバーもメカニックも精一杯集中して役割をこなします。ほぼ満足な状況に仕上がるまでに予約していた走行枠を使い切りました。


 翌土曜日、走行枠はありません。たまたま近くの(といっても100Km以上離れていますが)ツインリンクもてぎサーキットでフォーミュラーニッポンのレースが開催されており土曜日が予選日だったため何もしないで時間を潰すよりも勉強になると考えて観戦に出向きました。予選走行はすごいなぁ速いなぁと感心してすっかりお客さん気分でしたが、走行時間終了後の打合せや暗くなるまでのタイヤ交換の練習など普段見ることのできないチームの裏側を垣間見る事ができて大変学ぶ事が多かったと思います。


 明けて日曜日の決勝レースです。いつものように早朝からホテルを出発し車検の準備に取りかかるスタッフですが遠征先は勝手がわからずスタッフ総動員での準備となりました。公式練習走行時間のフリー走行は最後まで残り溝を1.6mm以上確保しなければレギュレーション違反になることを避ける為時間いっぱいには走行せず最終確認をするにとどめました。無事にフリー走行も終了し、やれやれと朝食を取ったり雑談したりと思い思いに過ごします。予選まではしばらく時間があるためこの時間に休憩です。


 さて予選開始時間が近づきました。予選のコースイン順もコース内の混雑でのタイムロスを避ける為に重要です。今回は予選参加台数が35台と大変多くコース全体に車が散らばるだろうと予想し中ほどでコースインする事が一番良いと考えました。ほとんど思いの通りの順番でコースインができました。後はアタックラップ中に先行する車に詰まってタイムロスをしないようにできるだけ先行する車との間隔を広くあけるだけです。コースイン後のウォームアップ走行の際に自分の車と先行する車の間を開けることにも成功しました。アタックラップの開始です。もちろん熱ダレのことを考えて1周目にアタックです。


 最終コーナーから思い切り加速してピット前を通過。タイムアタック開始です。二滝選手は筑波サーキットは路面が良い為走りやすいのかグングンとスピードを上げていきます。先行する車との間隔もずいぶんと空けていたにもかかわらずドンドン詰まってきます。最終コーナーが近づきました。まだ先行する車との間隔は残っています。これは好タイムが出るな・・・と思ったとたん最終コーナーのクリッピングポイントを越えたあたりで急に速度が落ちました。まるでよろけるように最終コーナー出口でコースサイドのグリーンゾーンに出て行きます。タイヤバーストが発生したのか?こちらからは何も見えません。二滝選手が車から降りスポンジバリアーを超えて退避しました。いったい何が原因で走行を中止したのかわかりません。タイヤバーストならピットインして再スタートすればよい事ですし???の連続です。ピットスタッフの河村君が走りに走って最終コーナーのコースの向かい側に止まっている二滝選手のところへたどり着きました。コースの外からですとタイヤの部分はスポンジバリアーにさえぎられてみる事ができません。しかしタイヤが原因でなく普通ではないという二滝選手の感想を聞き何かが壊れて修理しないと走行できないと感じたようでした。予選終了のチェッカーフラッグが振られています。とうとう私達の車は予選計測を1周もできないまま予選時間が終了してしまいました。予選不通過です。私達のレース活動が始まって以来のピンチが発生しました。


 予選時間が終了しコースサイドから車をパドックに移動しようと二滝選手が車に乗込みました。しかし車はまったく動きません。ついにレッカー車にひかれてパドックに戻ってきました。エンジンは始動するし普通に回転も上がります。クラッチにも異常は無いようです。左前輪のタイヤが異常な角度に見えました。キャンバー角が逆転しタイヤの上になっているところがボディからはみ出ているのです。しかしホイールナットはしっかりと締まっています。よくよく見るとタイヤを車体にとめているハブが外れています。金属疲労によりハブを車体にとめている溶接部分が破断していました。ビックリしました。よく車体からタイヤが飛び出さなかったものだと思いました。ディスクブレーキのプレートがブレーキキャリパーに引っかかってタイヤが外れなかっただけで車体とタイヤはまるでサヨナラしてまったく独立していたのです。またその状況でうまくコースサイドに車を止められたものだとも感心しました。なにせブレーキ無しでレーシングスピードでコーナー進入し右コーナーで過重のかかっている左前輪が無い状況だったのです。しかも突然に発生したもので予兆は無かったと思いますし、ポールポジションを狙う1周だったので最高に速度は乗っていたのですから。あらためて二滝選手の卓越したドライブ技術と車を制御する能力に感心しました。二滝選手に後から聞きますと何かが突然壊れたと感じ、ブレーキを踏んでも床までペダルが入りブレーキも無くなったとすぐにわかったとのこと。後はいかに安全に停車するかに集中し意外に冷静に行動できたという事でした。まさに神業とも感じましたが普通人の私には理解を超えていてすごいなぁとしか言えませんでした。


 故障箇所は判明しましたが当然ながらそんな部品は持参していません。二滝選手にリタイヤするかと尋ねると走りたいとの事。もとより京都から茨城県まで出向いてきて走らずに帰る心算はありません。二滝選手のモチュベーションが失われていないのを確認すると今度はスタッフの出番です。部品手配の為スズキ モータースポーツ アソシエーションの人に尋ねて近くのディーラーで参戦している人を紹介していただきます。数人の人に部品を尋ねるとスズキアリーナ下館の社長さんがお店に在庫があるとの事。さっそくスタッフの一人の川合さんが受け取りに出発しましたがやはり1時間30分は掛かりそうです。その間にもう一人のスタッフの河村さんが車を分解し破断した部品を取り外し修理できる状況にしていきます。私はその間に二滝選手とコントロールタワーに行き、予選不通過を出走嘆願書により決勝レースに出場できるように手続きを行います。普段は予選終了後は比較的のんびりと他の参加者の方たちと雑談したりして過ごすのですが今回ばかりは参加者全員が必死です。出走前点検の時刻までに車を修理し、技術オフィシャルの決勝レース出走許可を取らなければならない為です。


 時間は刻々と過ぎていきます。まだ部品を持って帰ってきません。二滝選手は緊張から開放された為か少し疲れが見えます。破断した部品の取り外しは終わりました。同じレースに参戦している人たちが心配そうに様子を見に来ます。カーNo,17の桜井選手が二滝選手に話しかけています。今年の東日本第1戦で同じトラブルが発生したとの事です。しばらくして部品を持って川合さんが戻ってきました。スズキアリーナ下館の社長さんは自分のチームもレースに参戦しているのに部品を取りに行くのに同行して道案内をしていただいたとの事。すごく感謝しました。感動しました。困っているときに手を差し伸べてくださる事のありがたさが身にしみます。時間が切迫していますので本当に簡単に感謝を言って作業に取り掛かりました。スタッフ全員の懸命の作業が続きます。時間が迫ってきたのでスズキ モータースポーツアソシエーションの人や技術オフィシャルがチラチラとやって来ます。もう間もなく出走前点検の時間です。


 時間ギリギリで間に合いました。とりあえずオフィシャルに申告し出走許可の点検を受けました。作業を見ていた為でしょう簡単なチャックのみで出走許可が下りました。あわてて車を出走前点検に並べます。二滝選手の顔つきが変わってきました。よし走れる!という気迫のこもった顔つきです。出走前点検も無事に通過しいよいよコースインです。


 ブレーキパッドやブレーキローターも交換した為当りを付けながらダミーグリットに車を進めます。35位のグリットはスタートラインから遠くシグナルも直接見えない位置でした。どちらにしても前回の優勝者が最後尾なので目立つ事目立つ事。さらに一番後ろなのにARTAの旗をグリットに掲げていったい全体なんですか?状態です。良いときも悪いときも精一杯の努力をする事が私達の使命なのですから決してカッコ悪いとかは感じませんでした。


 ダミーグリットを離れフォーメーションラップへと移ります。二滝選手の頭の中はスタートのイメージでいっぱいでしょう。スタート練習をする様子がわかります。いよいよグリットに全車が整列しました。いつもなら私達の車は前のほうにいるので長い時間を感じますが、今回は一番後ろなのでグリットについたとたんにオールOKのグリーンフラッグが振られました。一瞬の静寂の後スタートです。二滝選手は抜群のスタートを見せました。最終コーナー途中のスタート地点からコントロールラインを超えるまでに10台近くを抜き去ります。1周目が終わって再びコントロールラインを通過したときには21位に上がっていました。ここから二滝選手の快進撃が始まります。2周目には16位、3周目には13位と順位を上げていきます。場内放送が二滝選手の追い抜きを伝えます。ワンメイクレースでのごぼう抜きはほとんど起こりません。今回のような突発事項が無い限りは順当に進むのが普通です。観客の人たちも応援してくれています。当然ながら同じ周回で競っているのですから先行する車も簡単に道を開けてはくれません。見ているとあちこちで軽い接触をしながら抜いてくるのがわかります。無事に怪我無く終わって欲しいと思う気持ちと少しでも順位を上げるために少し無理をしても仕方ないとの考えが交錯しなんともいえない気持ちになりました。いよいよ最終周回です。ポジションは8位。スタートが最下位だったことを考えると充分な順位です。なんといっても27台抜きですからネ。


 チェッカーフラッグが振られました。レースの終了です。8位でフィニッシュです。車はそのままパドックの保管上へ戻ってきます。見るとやはり接触の後がたくさんあります。車も二滝選手も精一杯がんばったんだなとよくよくわかりました。車から降りてきた二滝選手をねぎらいます。シリーズチャンピオンには届かなかったけれど、スーパーオートバックス京都伏見としても恥ずかしくないレースをしてくれました。


 表彰式が始まります。まずはこのレースの表彰です。入賞者の方に拍手をしましたが本当はちょっと残念でした。続いてシリーズ表彰が始まります。今回は8位でしたので3ポイントを獲得しています。レース終了からここまで気が付かなかったのですがこの3ポイントが大きくものをいってきました。シリーズ2位の人と1ポイント差、シリーズ4位の人とやはり1ポイント差だったのです。ここでの3ポイントでシリーズ順位の3位を保っていたのでした。シリーズ3位のトロフィーを受け取りました。二滝選手も今は嬉しそうです。驚異的な追い上げを参加者の方が称えてくれています。


 シリーズ戦は今回で終わりました。念願の全国統一チャンピオン戦の出場も決まりました。参戦2年目でここまで成績を伸ばせたのも望外の喜びです。今期の目標は一度は表彰台に上る事と全国統一戦に出場する事でした。今年の経験を活かし更に車の事を理解しお客様に情報提供できれば価値があると思います。11月23日にスポーツランドSUGOで開催される今期最終のレース、全国統一チャンピオン戦「King of Kings」では今回の雪辱を果たし上位入賞を目指しますので応援をお願いいたします。

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