スーパーオートバックス京都伏見が参戦しているSUZUKI
Keiのワンメイクレース「Kei Sport Cup西日本シリーズ第4戦」が9月14日(日)に、兵庫県のセントラルサーキットで開催されました。今回は、11月23日開催のKing
Of Kings出場権利獲得をかけた一戦でした。また、東日本戦の筑波サーキットでは前回優勝することが出来ましたが、西日本戦では未だ優勝の無い状況ですので地元初優勝をも狙う一戦でした。
今回は地元の西日本戦という事もあり、通常ならば土曜日にサーキット入りとなるところを、1日早く金曜日からの練習走行といたしました。勿論、今シーズン最後のセントラルサーキットで優勝を狙う為です。作戦を練り、それに合わせて事前セッティングをし、天候を確認・・。『台風接近』という嫌な四字熟語が目に入ってさぁ大変。タイヤ選択からセッティング、準備品に至るまで台風に合わせて追加と変更。細かなセッティングは走行させてからの課題とし、前日の準備は終了しました。
明けて金曜日、セントラルサーキットまでは曇り空ながら雨はまだ降っておらず、ウェット路面に適したタイヤを作ることが可能と思いました。ほぼ新品タイヤを装着し、決勝に合わせてちょうど良い状態まで減らそうと準備しました。走行時間開始に勢い良く飛び出してから3周目、とうとう雨が降ってきました。しかも大雨でタイヤを慣らす間も無く緊急ピットインです。結局タイヤは減らず、ほぼ新品のままの状態で走行を重ねることになりました。後はその状態で走行可能なようにセッティングをしなければ成りません。タイヤの空気圧からアライメント、減衰力調整と限られた調整範囲の中で、よりベストな選択を見つける為に、ドライバーもメカニックも精一杯集中して役割をこなしました。しかし痛恨の一撃が襲ってきました。限界に近づき過ぎたせいで1コーナーでオーバーランしてしまい、舗装路を飛び越えて砂地を走行。またもピットへ。ドライバーにも車両にも大きな影響が無かったのがせめてもの救いでした。急いでタイヤ交換をして送り出し、その後も3回ほど微調整を加えながら予定走行枠を走り切りました。その後、ホテルに戻り明日の予定を打合せましたが、天気予報を確認すると、な、なんと、台風は進路を変更して明日以降雨は無いとのこと!!今日の1日は何だったんだぁ??とにもかくにも明日からはドライでのセッティングへ移行になりました。
翌土曜日、走行枠は午前中の2回のみ。効率良く事を進めて明日の決勝に望みたい。が、雨を予想し準備していたので準備品ももちろん雨仕様。出来る限りの状態で二滝選手を送り出すが昨日のオーバーランの所為もあり、前タイヤが新品同様で後ろはドライ用タイヤというおかしな事になってしまった。実を言うとドライ用タイヤは持ってきてはいたのですが、ホイールに付いている状態ではなく本当にタイヤだけを持ってきていたのでした。タイヤさえあれば現地で何とか成ると思ったのです。実際、交換は近くで可能だったのですが少し時間がかかるので、短期決戦の走行枠ではどうしようもありませんでした。願わくばもう1セットホイールがあればよいのですが無いものは無く、出来る限りのセッティングで土曜日の走行枠は終了しました。その後は、二滝選手の指摘にあった、アンダーステア強く、またS字コーナーの切り替えしが遅い。ここの解消に焦点を絞って対策します。まず、アライメントを水平位置にてチェックしたいので、近くで借りる訳にも行かず店舗へ戻るという案にスタッフが満場一致。一路、我がARTA
with カーライフサービスの最新設備を誇るスーパーオートバックス京都伏見のピットへ。いの一番にアライメントをチェックすると、なんと、何も変化なし。今度はドライ用タイヤをホイールに組み込みバランスを取ってセット完了。念の為にオイルを交換をし、洗車をしてセントラルサーキットへとんぼ返り。アンダーステアもS字コーナーの切り替えしもこれで改善するはずです。
さて、いよいよ日曜日本番。いつものように早朝から車検の準備に取りかかるスタッフたち。さすがに手馴れた様子で早々に車検合格。ここまでくれば、あとは時間が来るまでこれまたいつものように朝食や他愛ない話で過ごします。多少の不安は昨日のセッティング以降、テスト走行が出来なかったことです。とはいえ、今までの練習走行でドライセッティングは煮詰まってきているので、大丈夫なのですがレース前にはいろいろとマイナス要因を思い出しては不安がるものです。そうこうするうちにフリー走行開始時間となりました。ラップタイムは先ほどの不安を打ち消すかのようなタイムで一安心。好感触を掴んで予選を迎えることが出来そうです。フリー走行終了後、二滝選手が帰ってきて様子を聞くと、なんと1分49秒台を連発したにもかかわらず、セントラルサーキットには数少ない左コーナーでのグリップ不足に悩まされていたと言うのです。何が原因かを考えた結果、昨日のタイヤ交換時にわざわざ左右逆転して組替えたのが災いしているようでした。ドライ用タイヤは通常、かなり履きつぶしているものを使用しますので、そのなかで最後まで残り溝を1.6mm以上確保しなければレギュレーション違反になることを恐れてした行為がここにきて裏目に出てしまいました。サーキット走行でタイヤのグリップを最大にするためには磨耗の方向性を合わせる必要があります。左右逆にタイヤを組込みしたことでその方向が逆になってしまっているのです。レース規定により途中でのタイヤ交換は予選最後尾スタートとなります。また、タイヤを直接やすりなどで加工する事も禁じられています。そこで仕方が無いので再度アライメントを調整し、タイヤの接地が極力良くなるように試みました。
予選開始時間となりました。今回も一番良いタイミングで予選アタックできるよう、早くからピットロードに整列です。なんといっても同一車種の軽自動車ですから、予選で一番良いタイムを取れるか取れないかは、天と地ほどの差になります。予選アタックのタイミングは問題無く、天に届けと言わんばかりのアタックで1周目1分48秒832をマーク。周回を重ねていけば熱で思うように走ってくれないのは我々も相手も同じ事。前回の第3戦より1秒以上も早く周回しているので、ポールポジションは決定かと思われました。
しかし、ここでも大どんでん返しが待っていました。シリーズチャンピオンに最も近い戸田選手が2周目に1分48秒822を叩き出し、100分の1秒差で、前に出られました。何てことでしょう。たった100分の1秒差です。もちろんレースですから1000分の1秒差でも負けは負けだと知った上で競争をするのですが、実際目の前で現実になると、これほど厳しく重いものだと身を持って思い知らされました。予選時間は10分間。二滝選手も再三アタックするも届かず時間終了となりました。
後悔先に立たず。何か他に出来たのではないかと考えますが後の祭りです。それに今度はいよいよ決勝戦です。地元初優勝めざして作戦会議です。まず、ポールポジションの戸田選手ですが、立場的にはシリーズチャンピオンのタイトルが大きく、今回はシリーズ2位の中山選手より前でゴールすることにウエイトを置くと思われます。ですから、スタートより戸田選手を強力に攻めればプレッシャーとなり、リズムが狂うことを嫌い、比較的楽に前へ行けるのではないかと考えました。ちなみにそうでなくても我々に残された手は多くありません。直線で追い抜きがあったり、コーナーで前へ出ると言うことはそう容易くはありません。相手も同じ車です。雨などの不確定要素が無い晴れた日は、相手のミスを誘うように後ろにピッタリついて機会をうかがうのが常套手段です。ただし今回は、失うものの多いポールポジションの戸田選手と、少ない二滝選手との精神的な差が大きくあります。ここを生かして今回は勝負しようと話し合いました。
最終決戦が始まりました。今度は予選と違い、一番最後にピットロードに行きます。たとえ1度でも水温を上げないようにするためです。いずれにしましても、フロントローの2番目のポジションですのでスズキスポーツのレースクイーン達がスタート前に華を添えるようにマシンの横に立ってくれました。今回もARTAの旗をグリッド上に持って行きました。スタート前の最終確認を済ませ、二滝選手の緊張をほぐすように雑談を交わす間にスタート3分前の表示が掲示され、グリッドからの退去を促す警笛が鳴りました。
ここからの二滝選手はスタートの瞬間を前方の戸田選手を見据え、じっと待ちます。ピットにも一瞬の静寂が流れ、レッドシグナル点灯、ブラックアウト。スタートです。今回は緊張のためか、いつものロケットスタートにはならず、オーバーテイクのチャンスを1つ逃しました。上位陣はほとんど一団となり第1コーナーへ消えていきました。裏ストレートではやや差が付いているものの3コーナーではまた差がつまり一団の状況です。そこから激しいバトルが繰り広げられました。予選3位の森選手に、4位スタートの中山(竜)選手が襲いかかります。しかしさすがに上位に食い込む森選手は抜かせません。さらに2周目には3番手の森選手が二滝選手に襲いかかります。前の戸田選手を抜くことも大事ですが後ろの森選手に抜かれないことはもっと大事です。レースは序盤から激しいドッグファイトが展開されて進んでいきます。トップを走る戸田選手は、後ろを意識してブロックラインを走行し、二滝選手に付け入る隙を与えません。レースも中盤に差し掛かり3位争いが再び激化。森選手と中山(竜)選手が激しいバトルを展開しています。7周目の1コーナーで、中山(竜)選手が森選手のインをつき、3位に上がってきました。中山(竜)選手は、優勝経験もあるうまい選手ですので前がクリアになった途端、猛烈な追い上げで2位の二滝選手に追いついてきました。
レースも終盤です。戸田選手、二滝選手に中山(竜)選手を加えた3台でトップグループを形成していた上位陣は、すさまじい接近戦でコーナー毎に隙をうかがいます。9週目の3コーナーで思い切りブレーキを詰めた二滝選手は戸田選手と1秒3ほどの間隔を一気にテール・ツゥ・ノーズまで持っていきました。3コーナーには激しくタイヤスモークの白煙が上がり場内アナウンスも興奮状態で話をしています。しかし二滝選手の頑張りもそこまででした。さすがにランキングトップの戸田選手は激しいアタックにもミスが無く、追いついているが抜けない状況でチェッカーフラッグが振られました。順位こそ変わらないもののコーナー毎のアタックとプッシュ、3位の中山(竜)選手のアタックへのディフェンスはシリーズチャンピオン決定の最終戦らしく見ごたえ充分で充実したレースだったと思います。
レース終了後、コースから引き上げてきた車はそのまま車両保管場へと誘導されます。そこで正式結果が確定するまで、触ることは出来ません。レギュレーション違反などの検査が行われるのです。車から降りてきた二滝選手は、秋のレースにもかかわらず気温が31度まで上がったため、すさまじい発汗です。まるでサウナに入っていたようでした。早速冷たい飲み物を手渡し、無事にレースを終了できたことを喜び合いました。成績ももちろん大切ですが、怪我無く事故無くレースを終了することが最も大切なことなのですから。しかし、やはり2位は悔しいですね。
表彰式が始まります。まずはじめに西日本第4戦の表彰式です。最初に1位だった戸田選手が表彰台の一番高いところへ登ります。次に2位の二滝選手です。それから順に6位の選手までが表彰されます。トロフィや賞金を受け取ったり、シリーズを振り返っての感想を言い合ったりしていました。またシャンパンファイトも恒例になりました。(しかし、やっぱりうまくシャンパンを吹かす事ができませんでした・・・。)次に西日本シリーズの総合表彰式です。年間シリーズポイントは1位戸田選手、2位中山(竜)選手、3位は二滝選手です。またも表彰台を頂き、表彰式は終了いたしました。
今年参加してきたSUZUKI Keiのワンメイクレース「Kei Sport Cup 2003 西日本シリーズ」はひとまず終了です。11月23日開催のKing
Of Kings出場権利は獲得することが出来ました。ここまでの道のりは長く、一言で語ることは出来ませんが、去年途中から参戦してきたSUZUKI
Keiのワンメイクレースで、2003年の目標としてきた表彰台に上がることとKing Of Kingsに出場することが成果として見えたことが何よりです。今季は残すところ東日本シリーズ第4戦とKing
Of Kingsの遠征での2戦となります。ここまでに培ってきたテクニックとノウハウで最大限良い結果を出すため頑張りますのでみなさまの応援よろしくお願いします。 |